#oshiro/城郭記
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Author:#oshiro
―城郭数寄者
城郭(最近は近世が特に…)と数寄建築・茶の湯が好きで、各地のお城や茶室を巡っています。中世城郭も好きですが、今は写真メインで巡ることが多く、土造りの城より石垣が築かれた城に足を運んでいます。
[注意!!]元々理系なため、文章がメチャメチャ下手糞です。と、ここで保険をかけておきます。



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松江城-1/土塀
松江城-1/土塀 【松江編 #1】

今回から松江城編を連載。

現在、松江城二の丸には平成になって、南櫓・中櫓・太鼓櫓の3櫓と
それらを連結する土塀が復元されている。

大手側の水堀を挟んだ県庁の方向から見れば、これらの3櫓と天守が
重なって見え、往時の姿を偲ぶことが出来る。

と言っても二の丸の往時は5櫓に3門とこれらを連結する土塀(瓦塀)があった。

さて、今回はこの土塀について。

松江城土塀
[Photo]松江城二の丸太鼓櫓脇の土塀

写真は、二の丸(城内側)から見た土塀。

見た目なんてことはないただの土塀なんだけど、そこはやっぱり
お城の特性上、防御を考えて築かれている。

この復元された土塀には狭間が61箇所開いている。
ここから鉄砲を使って、攻め手を射撃する。

今回の話は狭間?と思われるかもしれないが、
メインの内容は別の所にある。

土塀を内側から支えている柱が見えると思いますが、
角柱が縦に等間隔で立っているのが「控え柱」と言い、それと土塀を
連結している横木を「塀控え」と言う。

専門的な名称を出して、難しい話にしたいわけではなく、
こんな名称はさして重要ではなく、言いたいのはこの角柱の用途である。

単純に塀を支えているだけじゃ…?
と思われがちだが、それだけではない。

よく見ると「塀控え」と呼ばれる横木が、地面と水平になっている。
実は、戦時にこの「塀控え」の上にスノコ板のような板(よく学校の
渡り廊下で用いられるような板)を置き、臨時の板張り廊下を形成する。

これによって、上下2段構えの防御体制が構築出来る。

下の1段目(廊下の下)には、狭間から鉄砲で攻撃する射手。
上の2段目(廊下の上)には、塀の屋根上から鉄砲で攻撃する射手。
といったように、たかが塀でも二階櫓ばりの攻撃力を持つことが出来、
塀の力を最大限に利用した、塀の最終到達点とも言える。

この土塀に石落しがあれば、下方向の攻め手に対しても攻撃が出来、
四角がなくなる。

ただ、この上下2段構えにはデメリットもある。
塀の屋根上から攻撃する射手に関しては、上半身が屋根上から出ることによって
攻め手の攻撃を受けやすく、また雨が降れば鉄砲の火縄が濡れて使えなくなる。

じゃあ、この欠点を補うために、上半身を守る為の塀(壁)があれば、
そして火縄を濡らさないための屋根があれば問題が解消されるのでは…

と、その問題を解決したのが近世城郭に多く見られる「多門櫓」になる。
多門櫓をここでは明記はしないが、イメージしてもらうとすれば櫓と櫓を連結する
写真にある土塀が櫓になったイメージ。
櫓と櫓を連結するのも櫓という…

と、ここまで書くと、「なーんだ松江城って、ちょっと防御力弱いんじゃん」
と思われるかもしれないが、これは二の丸の土塀。

1段上の曲輪・本丸では、櫓と櫓を連結するのは土塀ではなく多門櫓。

主郭である本丸に多門櫓を用い、1段下に下がった副郭の二の丸で
土塀を用いていることで、重要度が高い曲輪になるにつれて防御施設を
高めていることが見て取れる。

本当にスノコ板を敷いて、上下2段にしたのか?という疑いがあるかもしれないが、
大阪冬の陣図屏風』には、この上下2段方式(土塀の控柱上に板を敷き、下の
狭間から射手が、塀の屋根上から射手がいる方式)が描かれている。

こういった単なる土塀でも、今見る見た目だけで狭間があるなぁ…と、
終わるだけではなく、他の物を用いて防御力を高める工夫があったことを
知っているとまた城巡りが一層面白くなってくると思う。

しかし、全ての近世城郭の土塀が上下2段構えの防御体制を取っていたかというと
否と思われ、中には「塀控え」が斜めになっているものもあり、2段構えの方式を
取っていなかったと考えられるものもある。

城によって、こういう違いがあるのを見ていくとそれぞれの城の
築城者・縄張担当者・作事担当者の技術力・プランニングが
垣間見えて面白いと思う。


今回はここまで。また次回。



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